登山を始める場合、まず最初は登山靴や登山リュックを購入すると思いますが、2,000円ぐらいの投資で登山用の靴下を購入すると抜群に行動のストレスや疲れが減ります。
本記事では、登山用靴下の選び方のポイント、なぜ登山用の靴下を購入すべきか(=登山用の靴下を利用しないとどうなるか)をまとめました。まずは結論からです。
選び方のポイント | 選び方 |
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厚み・パイル | 冬期の高山や厳冬期など保温性が必要になる時期ほど保温性が高い厚手をの靴下を選択する。また、行動時間が長ければ長いほどクッション性が高い厚手の靴下を選択する。夏場の短時間のハイキングなどは薄手で通気性重視。 |
素材 | 保温性が必要な場合はメリノウールなどのウールソックスを選択し、通気性を重視する場合は化学繊維中心の素材をチョイス。混合繊維の靴下も販売されているので状況に応じた選択が可能。 |
長さ | 保温性を考えると秋冬はすねまである靴下が必須。真夏でショートパンツを履く場合はくるぶしまでのショートソックスが使いやすい。 |
登山用靴下を着用した場合 | 登山用靴下を着用しない場合 |
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クッション性が高いため疲労が軽減される | クッション性が低く披露しやすい |
登山靴の中でずれない | 登山靴の中でずれて足の痛みや疲労、マメの原因に |
湿気を発散しやすくマメができにくい | 靴の中に湿気がたまりやすく上記と同じくマメの原因に |
臭くなりにくい | 臭いや菌が繁殖しやすい環境 |
保温性が高い | 保温性が低い |
目次
登山用靴下の選び方のポイント
厚み・パイル
靴下は厚くなればなるほど保温性とクッション性が上がります。どんな低山でも普段使いの靴下よりも厚手の登山用を選ぶことで疲労軽減効果ががあります。
靴下の厚み | 利用シーン |
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超極厚手 | 3000m級の高山に冬季登山する場合 |
極厚手 | 厳冬期の登山などは保温力を上げるために一段階厚手を選択 |
厚手 | 厚手はクッション性が高く、冬季以外の春夏秋登山全般に使いやすい |
中厚手 | ハイキング用。最低限足裏部分だけはパイルでクッション性があるものを選ぶと◎。 |
パイル編みとはタオルのように糸をループにしてボリュームを出す編み方で、保温性が上がるのとクッション性が高くなるのが特徴です。生地全体の厚みだけでなく、このパイル編みがあるかないかで快適性が変わってきます。
パイル | 利用シーン |
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総パイル | 足裏だけでなく、靴下全体がパイル編みされていると登山靴に当たる足全体の負担が少ない |
足裏パイル | ハイキングや低山トレッキングなど足の負担が少ない場合は足裏パイルだけでもOK |
パイルなし | パイル編みがないと薄手になるため登山靴ではない普段使い用に適している |
素材
登山用の靴下の素材として主に使用されるのはウールと化学繊維です。汗をかく量に応じてどちらの素材の靴下を選ぶかがポイントです。
靴下の素材 | 特徴 |
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ウール | 天然繊維のウールは高い保温性があり、発汗時もウールが汗を吸収する時に発熱することによって暖かさが持続する。また、ウールは防臭効果に優れている。ウールの中でも肌ざわりがなめらかな「メリノウール」が人気。 |
化学繊維 | 天然繊維と比べて高い速乾性と繰り返し洗濯してもへたらない高い耐久性が特徴。汗を大量にかく夏場は化学繊維100%の靴下推奨。 |
混合繊維 | ウールと化学繊維の混合素材はそれぞれの特徴を兼ね備えた万能タイプ。保温性と速乾性のバランスを求める場合はこちら。 |
長さ
登山用靴下の長さは保温性や透湿性、皮膚の保護を考えると基本的にすねまである長さが基本です。初めて買う人はロング丈、様子を見ながらショート丈を購入するとよいかも。
靴下の長さ | 利用シーン |
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ロング丈 | 登山においては全般的にロング丈の靴下がおすすめ。速乾性が高い登山用靴下は登山靴の中の蒸れや水分が靴下の生地を伝って足首から上の生地の部分からうまく発散してくれるため。また、ショートパンツ+タイツスタイルの場合もカラフルな靴下をかぶせることでおしゃれを楽しむことができる。 |
ショート丈 | ショート丈は夏場でショートパンツを履く場合限定。解放感や動きやすさは高いので、トレイルランニングやローカットのハイキングシューズで歩き回る時用。 |
選び方のポイント②:登山用靴下を利用するメリットを考慮して選ぶ
上記の選び方のポイントに加えて、なぜ登山用の靴下を選ぶといいのか?という点を頭に入れて選ぶと、間違った選択をせずに済みます。上記と重複する内容もありますが、以下のポイントも抑えておきましょう。
クッション性が高いため疲労が軽減される
登山はとにかく足を動かすスポーツで、路面も平地と違って足に負担がかかりやすい状況であることはご理解の通りかと思います。
荒れた路面を歩く時はどうしても足裏全体で着地できないことが多いので部分的に疲労感がたまりやすいので靴下のクッション性が非常に重要になります。
クッション性が高い靴下は「厚手」で「パイル編み(タオルのような糸をループさせた編み方)」になります。足裏はパイル編みがほぼ必須といっても言い過ぎではありません。
登山靴の中でずれない
登山靴は通常の靴に比べてソールもアッパーも固くできています。長距離や寒冷地などで使用する登山靴はよりガチガチに固いつくりになっていますが、固い分、紐をしめても足にフィットする部分と空間ができる部分ができてしまいます。
空間が大きいと歩いていると靴の中で足がずれやすく、足がずれやすいと重心をとるために余計な疲労が発生します。しまいには足の痛みやずれて擦れた部分がマメになったりするので、なるべく歩行中に足がずれないようにすることがポイントです。登山靴と靴下を選ぶときはその点を考慮して購入してください。
湿気を発散しやすくマメができにくい
マメができるのは靴の中で足がずれることもそうですが、汗をかいて足がふやけると余計にマメができやすく、汗自体が滑り止めになって摩擦が増えて摩擦が増えた部分が更にマメになりやすくなります。つまり、靴下の中の水分は大敵です。
間違っても綿(コットン)の靴下は履かないようにしましょう。夏場で汗を多くかきそうな場合は化学繊維の靴下が必須です。
臭くなりにくい
登山は行動時間が長く、登山靴はいくら速乾性があるとはいえ密閉度が高いので他のスポーツに比べて足に汗をかく量が多くなります。つまり、雑菌と臭いの対策は必須
になります。登山用の靴下はどれも抗菌防臭対策されています。
保温性が高い
ウールが使用されていて、厚みがしっかりあって、パイル編みされている登山用靴下は普通の靴下と比べて段違いの保温性があります。足が冷えると体力を奪われやすいので春秋など肌寒い時期の登山は登山用のウールソックスを使いましょう。
一足目におすすめの超定番モンベル登山用靴下
主に夏場中心に汗を多くかきそうだと思ったらWIC.トレッキングソックス、それ以外に幅広く使えるのがメリノウールトレッキングソックスです。個人的にメリノウールトレッキングソックスは冬に家でパジャマでいる時に使ったりもしています。